鯛夢作 機巧童子を読んだので感想ですよ。

今回は、名前が某漫画とガンかぶりタイトルをご紹介。検索しにくいね!

機巧童子 1 (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)

機巧童子 1 (ぶんか社コミックス ホラーMシリーズ)


<オススメ度>→そこそこ しかし、明らかに万人受けはしない


 人形だらけの神社にやってきた人々の不思議体験が一話完結で進む。

  ホラーといっても、幽霊が出てるホラーではない。人間や人間関係のドロドロした怖さを描いている。また、謎解きアクション的ドキドキ要素も含まれて、登場人物の脱出劇には毎回ドキドキさせられる。副次的要素だけどね。

 一話完結ながら、お話も作りこまれている。登場人物の人格が機械のシステムに例えられるのだが、そのたとえが非常にうまい。

 絵も造形も大変すばらしく、ところどころにあるユーモアが光っている。


 しかし、全体的に説教臭い感じがあり、抵抗感がある人もいるだろう。古典的な人情話が苦手な方は購入に慎重になった方がいいかもしれない。
 あと、ストーリーは単純だが、設定がやや難解・摩訶不思議、加えて説明なしなので、取っ付きづらい面もある。
 







<設定紹介>

 ※注意。設定説明はされていないので、ワタクシの予測が多分に入っております。あと、わかりにくい紹介です。頑張りましたが・・・・ご容赦ください。



 とある神社には人形ばかりが奉納された「人形堂」というお堂があった。その中には、「万物万能丸」という、「この世で唯一完璧な機械」「究極のからくり人形」があった。
↓万物万能丸

 しかし、万物万能丸には修理が必要な状態であった。万物万能丸を修理するために必要な部品は、人間の心の中にある「人の心のカラクリ」の一部。そこで、万物万能丸は神社に特定の人間を「招き」、その人の心を動かすの重要な部品を奪っていく。



 万物万能丸の機構の中では、人の心のカラクリが具象化される。つまるところ、万物万能丸の中に入った人間は、自分の心のカラクリの中に入ることになる。

↓「自分の心のカラクリ」の世界 この外観もシステムもその人によって違う。


 人の心のカラクリとは、「その人の人格を規定し、動機づけるもの」なので、その人の性格や生き方によって違う。人によって性能的に良い部品があり、それを、万物万能丸は奪っていく。


固定キャラは2名


○ナツメ

 巫女さん。人形のような容姿を持つ万物万能丸は動けないので、このナツメに命じて「招いた」人間たちを罠にかけ、万物万能丸の中に引入、心のカラクリの部品を奪っていく。
表紙の子




○ハルヨシ

 ほぼマスコット状態。言葉づかいが悪い。動く姿が可愛い。






<感想>
 非常におもしろい。人情的なところもあるが、それはナツメ達の行動の副産物に過ぎない、というドライな設定が大変ワタクシのツボだった。ナツメは因果応報的に物語が進むことを誇っているわけではないし、登場人物のその後になんの興味もない。という姿勢が非常にドライ。

 なんか、人間の生き方、個人史、人生観を問うような内容なので、ちょっと、もたれました・・・
 「ああ、おれ、こういうとこあるわ・・・・」
みたいな・・・・


ともかく、面白かったです。





もっさり終わる。