まだまだ、第9地区 演出と感想
[映画のはなし]
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今回は演出面と感想ですね。
演出面ですが、この映画の不思議な点は二つの観点が一つの映画としてまとめられてる点ですね。
1.疑似ドキュメンタリー
ヴィカス君の周辺の人々やら関係者、専門家、事情通、そういった人たちのインタビューや当時の資料映像、監視カメラ映像からなるウソドキュメンタリー。ようは、終わったことを振り返る観点。
2.ヴィカス君視点の映画
劇中劇という意味じゃなく普通の映画的観点。今何が起こっているのか?という観点。
最初は疑似ドキュメンタリーの観点から物事が語られる。そして、ヴィカス君がエイリアン化すると徐々に疑似ドキュメンタリーの観点が映画的観点に取って代わられ、ラストに行くにしたがい、また関係が入れ替わり、疑似ドキュメンタリーで終わる。(ただし、正確には、『ヴィカスっぽいエイリアン』が映るという映画的観点で映画は終わる。)
面白いのは、ドキュメンタリーの観点から映画的観点への切り替えだ。コレはヴィカスがエイリアン化するとともに始まるのだが、研究所でヴィカス君がいじられるシーンは二つが混じり合っている。「NASAが極秘にグレイを解剖した映像」みたいな眉唾ものの映像がTVでやってたりしますが、そんな感じの映像とも捉えられるし、映画のワンシーンとも言える。明確に「このワンカットは映画的観点で、このワンカットは疑似ドキュメンタリーだ」と指さすことができない。終わったことを振り返っているのか?今起こってることを映画的に写しているのか?判然としない。
やがてヴィカス君が研究所を脱出する。ここからは完全に映画的観点と言い得る。彼は逃亡者で、彼を写すカメラなど存在しえないからだ。しかし、カット割りは何となくドキュメンタリーっぽい。被写体が中心になかったり、カメラが動かなかったり。
そして、すったもんだの後、司令船が飛び、打ち落とされ、ヴィカスがとっつかまり、文明社会に見つかるとまた「ウソニュース視点」としてドキュメンタリー的観点に戻る。
そして、帰りを待つヴィカスの婚約者やら母親やらがうつり、物語は閉じられる。
そうそう、このドキュメンタリーには矛盾点、というか疑問点があって、ドキュメンタリーの出演者は不思議と事実を知っている節がある。ヴィカスが『完全なる被害者』であることに確信を持っている、というか知っているように振る舞う。さらに、事情通らしき男がこんな事を言う『クリストファーは3年後という約束を守るのだろうか?』これはおかしい。3年後という約束はクリストファーとヴィカスしか知らないはずだ。さらに、司令船が浮かび上がるシーンで、司令船を産まれて始めてみた軍の幹部がこういうのだ『司令船を打ち落とせ!』この男があの飛行物体の名知っているのはおかしいだろう。翻訳した人間の間違いかもしれないが・・・この確率は低そうだ。
続編で説明があるのでしょうか・・・・・
映画の中で、ヴィカスが手斧で左腕を切り落とそうとして失敗し、親指だけ詰めてしまうシーンがあるが、後々それがフリとして効いてこないので、続編があるとすれば「親指がない!あのエイリアンがヴィカスだ!」みたいなシーンがあるかもしれないですね。
感想:疑似ドキュメンタリーとしてアカデミックな雰囲気を醸しだし、悲惨な人体実験のシーンで同情を誘い、華麗なドンパチシーンで落とす。エンターテイメント作品としては単純に面白かった。(`・ω・´)b
見所:1.仮想宇宙武器
ロボが泥臭くて最高にかっこいい!スムーズに動いているのにこの手作り感。ボコボコにされてくシーンが見所。宇宙銃とかもかっこいい。どれもすんごい威力。アクションゲームの2周目の「無敵モード」でアメリカ軍をぶちのめす感じ。
2.クリストファー
ほんといい人クリストファー。ヴィカスほんとサイテー
こんな感じです もっさり終わり