海外ドラマ『フリンジ』をみたよ( ・ิω・ิ)

FRINGE / フリンジ 〈ファースト・シーズン〉Vol.1 [DVD]

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「科学という物を小さな箱に入れて出さないようにしている人達がいる」

 いきなり引用したこの言葉は、少し前にアメリカではやったインテリジェントデザインを提唱する人間の言葉、小さな箱、とは科学哲学のことだ。
 『科学が無限で、科学はすべてを実現可能である』というのは科学者のおごりであることは言うまでもない。科学哲学では、それが悪魔でも神様でも、捕まえてこない限り科学の研究対象になり得ない。しかし、科学が無限でないことに耐えられない人がいて、そういった人達のいくらかが宗教と結びついてインテリジェントデザインを謳うわけだ。

 かなり昔だが、科学がすべてを解決すると思われていた時代があった。21世紀になったら、科学の進歩により、病気になる人もいないし車は空を飛ぶ。さて、21世紀になってそれが真っ赤なウソだとようやく分かった。
 映像分野でもそうした事が反映された。空を飛ぶのはもっぱらUFOの仕事となったわけだ。・・・・そう、超科学自体の存在は否定されなかった。科学がすべてを説明する時代の到来が延期され、科学者として先輩である宇宙人はそれらの到来を予感させる存在として登場する。X-ファイルもそうした試みだった。


 さて、そうした、科学がすべてを実現可能と考えられてた時代の最先端を突っ走っていた科学者がこのドラマの主軸、ウォルター・ビショップだ。
 X−ファイルでは超常現象を追うと、必ず宇宙人かNASAにたどり着いたわけだが、フリンジでは超常現象を追いかけると、必ずこの老人、ウォルター・ビショップにたどり着く。そして、この老人の脳内にある超科学を実践する為の道具を提供するのは、NASAでもFBIでもない、世界的企業「マッシブ・ダイナミック社」である。 事件を起こすのは宇宙人でもなければNASAでもない、一塊の人間と、超科学技術。


 「科学は、もはや人間の規制範囲を超えた。」


 劇中ので出てくるマッシブ・ダイナミック社の重役の言葉だ。このドラマに出てくる科学は人間に恐怖しか与えない。X-ファイルで起こる数々の超常現象はある意味「災害」であったが、フリンジでは「犯罪」なのだ。
 人間の科学がすべてを実現する時代は、ある意味過去に到来し、実現も近い。X−ファイルに似たアプローチから、違う結論をこのドラマは出したように思う。
 こうして書くとX−ファイルの現代的再構築と言い得るかもしれないが、そうして概略するのは単純すぎるだろう。複雑化、国家のような企業、『吸うと一瞬で体が燃え落ちる毒』、統制を外れる者、統制を強める者。このドラマの『人間の生み出した超科学』という主題は社会問題に対しても、自然と手が伸びる。

 とりあえず、知った顔して固いことを書くと疲れるのでこの辺にします。(・ิω・ิ)
 
 あ!今日産まれて初めてとらのあなというお店に行きました。『刺激が足りない。非日常的刺激が欲しい』という方はフリンジを見るかとらのあなに行くか、どちらかをオススメします。
 

ウォルター・ビショップ

皮膚をはじめとする体組織の結晶化現象

琥珀標本のような死体