平野耕太作 ドリフターズを読んだので感想ですよ。

6月30日 書店を探しまくった日々から一週間。アワーズの表紙が寂しそうにしてましたね。


 ヘルシングっぽい作品は数あれど、やはりヘルシングを超える作品を作るのは平野耕太しかいないのかね。



<あらすじ>バレあり
 1600年 関ヶ原 鳥頭坂。
 島津豊久は殿(しんがり)として命を賭して養父島津義弘を陣中突破させる。

 敵の撤退後、戦いの終わった戦場をさまよい歩いていると。次の瞬間目の前に謎の男と空間。

 そしてさらに、気がつくと見たこともない異世界、ファンタジーな世界にたどり着いていた。



 そこにいたのは、18年前に本能寺の変により死んだはずの織田信長と400年前に死んだはずの那須与一だった。


 他にも、こちらの世界から、多くの武人が連れてこられているらしい。彼らのように、現代から異世界にたどり着いた人々を<漂流者(ドリフター)>と呼び、彼らは「十月機関」に統括されている。具体的にはハンニバル・バルカ  スキピオ ワイルドバンチ強盗団  菅野直 



 そして、ドリフターと同じようにこちらの世界から異世界にたどり着き、黒王(こくおう)と呼ばれる魔の軍勢の配下にある者たちを廃棄物とよぶ(らしい)
 廃棄物のメンバーは→土方歳三 ジャンヌ・ダルク アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ

 黒王は異形の魔物と廃棄物とを率いて、世界を地獄に変えていた。




<感想>
 自らの信念に基づいた行動は言語や時間どころか世界さえ飛び越える。
 歴史上の人物オールスターが異世界大戦争!なんか厨二病全開の設定だけれども、これをうまく「実現」させる手腕は見事。うまくやらないと「こんなの誰でも思いつく」とか「薄っぺらい」とか「子どもっぽい」とか言われてしまうからね!こうして精妙かつ正当に評価される土壌たる『ヒラコーブランド』みたいなのを作り上げられたのはすごいね。(当こすりとかじゃないです)
 実際面白い漫画ですし、単なる厨二病漫画とは一般的な区別がつけられるべきですね。物語の中に埋め込まれているいくつもの『爆弾』が、本作が一巻にして既に、もう単なる雰囲気だけの三流とは違うことを示している。


 ただ、ワタクシが期待しているのは『ヘルシング越え』!ヘルシングの精神的なものを継承しようとしたり、ヘルシングを批判的に継承しようとするような作品がほとんど見当たらず、真似しただけの二番煎じド三流雰囲気漫画がことごとく量産される中、『ブーム』の起点である平野耕太氏が『本物』っぷりを魅せつけて欲しい。コンスタントに一定のクオリティの漫画を書ける事はすごいが、あらゆる意味でヘルシングを超えるような作品を是非書いて欲しい。



<おまけ>
まさかのグラビアポーズ
 ・・・・那須与一って男だよね?




<おまけ2>漂流者と廃棄物の差
 漂流者と廃棄物は敵対関係におかれるらしい。しかし、それは属している集団(または、彼らを選んだ人)が敵対しているからであって、実際、両者に明確な差異はないように見える。どういう基準で分かれているのだろう?

 客観的に求められる差異は何か? 歴史苦手のワタクシがググッた結果
 
 漂流者→どう死んだかわからない。死に方に諸説あり。
 廃棄物→処刑
 
 ぐらいの差だろうか。
 
 生きるか死ぬかわからない状態で、漂うように異世界にたどり着いた漂流者にとって、異世界は白昼夢のようなもの。「ん?生き残れた・・・のか?」ってな心境かもしれない。
 しかし、処刑され、明確に死んだ者たちにとって、異世界はあの世。処刑という状況から生き残れる訳ないのだから。
 そう思うと、廃棄物達が、ボロボロになった旗を掲げている姿は意味深い。織田信長も家紋を掲げているが、それとは違う意味深さを感じる。



もっさり終わる。